なぜこのスタッフはこんなこともできないのか?というジレンマ
こんにちは、業務改善コンサルタントの杉山善昭です。
「どうしてあのスタッフは○○なんだろう」
「どうしてあのスタッフは○○さえもできないんだろう」
経営者なら誰でも、いや経営者でなくても感じることではないでしょうか?
自分は何でもできる。
でもあのスタッフはできない。。。
起業する際には、自分が何でもできるから起業するのです。
何故なら自分ができない業務をやらなければいけない起業をすると、とてつもないリスクが生じるからです。
理由は分かりますよね。
その人がいないと会社の業務が成り立たない事業展開をした場合、その事業の生殺与奪件はその業務を担う人が握ることになります。
例えば、システム開発会社で社長がシステムのことをまるで分らず営業担当、実務はSEが行う場合、いくら社長が仕事を取ってきても、実務を担う人がいなければとん挫します。
起業する社長は基本その会社の事業の全部ができる人間です。
しかし、スタッフはそうではありません。
全部できないのがスタッフです。
問題はこの先です。
では現場の仕事はスタッフができるべきなのか?
この勘違いでジレンマが生じるのです。
人にはそれぞれ能力の違いがあります。
できない人にできない業務をやらせることに無理があるのです。
笑い話のような実話があります。
昔々、あるスタッフがミスをしました。
重要なミスではなかったのですが、菓子折りをもって依頼者にお詫びに行くよう指示を出しました。
その次の瞬間!
「社長菓子折りってなんですか?」
・・・
この話を友人の経営者にしました。
「杉山さん、そんなのまだいいほうだよ。うちの若い奴なんて、1万円出して菓子折りもっていかせたら、お客さんに“バカにしてんのか!”って怒られて帰ってきたよ」
「何があったんですか?」
「ローソンでお菓子を一万円分買って袋いっぱい買っていったんだよ~。鬼のように長いレシート持ってきてさ」
「菓子折り」という言葉は社会人であれば当然知っている言葉だと認識しています。
しかし、必ずしもそうではない。ということです。
今回は、「菓子折り」というありきたりなエピソードを出しましたが、日常業務でも同じです。
自分ではできて当たり前の業務。
スタッフからみると、「できなくて当たり前」ということが当たり前なのです。
これを前提として、スタッフと接すると抱えているジレンマが激減します。
できないから口を酸っぱくして支持を出す。
スタッフが「もう!分かってますから」という位までです。
そしてもう一つ。
サッカーを見たことがない人はおそらくいないと思います。
11人でやるスポーツですよね。
フォワード、ミッドフィルダー、ディフェンダー、ゴールキーパー大きく分けて4つのポジションに分かれるのですが、もちろん役割が違います。
フォワード:点を取りに行く人
ミッドフィルダー:攻撃も守備もできる人
ディフェンダー:守備をする人
ゴールキーパー:ゴールを守る人
となっています。
人員に余裕のない会社では、フォアードの人にゴールを守らせるような業務をさせようとしたり、ゴールキーパーの人に点を取らせようとしたりします。
ここにムチャが生じます。
できない人にできない業務をやらせることは無理です。
但し、できない人に、できるように教えることは可能です。
逆に言えば、できない人はできるように教えられていないということになります。
できるように教えられていないのに、できないことで叱られるのは納得がいかないでしょう。