何の変哲も無い回転寿司のゼロ円販促に習う
昔の回転寿司は安くてまずいが当たり前でしたが、今の回転寿司は変わってきていますね。
お値段以上の価値を感じます。
こんにちは、業務改善コンサルタントの杉山善昭です。
今回は、何の変哲もない回転寿司が実施している、お金をかけない販促のご紹介をしますね。
先日、ちょっとした集まりがあったのですが、その前の時間にすき間時間があき、小腹も減ったので回転寿司に行きました。
少々食べられればよいので、こだわりはなく、どこでも良かったのです。
何の期待もしてない寿司屋。
ところがこのお寿司屋さん。
いい意味で期待を裏切ります。
お寿司屋さんならどこにでもある「卵焼き」
ここのお店は店内で職人さんが一つ一つ作っています。
ちょうど3,4カン食べて、さて次は何を食べようか?というタイミング。
遠くから「は~い!いま卵焼きが焼きあがりましたぁ~ほっかほっかの卵焼き~」という声が聞こえてきます。
スグに近くに来たので、私と一緒に食べていた男性経営者(40歳過ぎ、バツイチ独身)が「一つ下さい!」と声をかけた。
すかさずお兄さん。
「端っこと真ん中、どっちがいいですか?」と小気味よく切り返した。
にっこにこの笑顔で。
バツイチ独身の男性「う~ん。。。どっちがいいかなぁ、、、じゃあどっちも!」
思わず2つ頼んだ。
「まいど!」と言ってお兄さん次の席に去ってゆく。
「は~い、出来立ての卵焼き、端っこはあと一つしかありませんよ~」と言いながら。
もちろん、即売れ。
端っこが売れると今度は、「卵焼きぃ~真ん中のトッロトロの所だよ~」と言って売り歩く。
このお兄さん1円も使わず、あっという間に卵焼きを売りました。
お客さんはみんな楽しそうに買っています。
あなたならどう思いますか?
見事でしょ。
ちなみに、卵焼きは真ん中が一番火が通りにくいので、真ん中の焼き具合に合わせて作られます。
つまり、真ん中が一番半熟に近く、卵料理としては美味しいのです。
ここで面白いのが、端っこの希少価値。
ご存知のように端っこは2つだけしかありません。
真ん中か端っこを選べると、ついつい端っこを選択してしまう人がいるのです。
しかも、真ん中と2つ頼んじゃう人も(笑)
タダの卵焼き。
普通は、焼けたら切って握ってレーンに流すだけです。
何の付加価値もついていない握りの卵がレーンに回っていても、即売れはしないでしょう。
このお店のお兄さんは、1円も使わず即完売させたのです。
変えたのは売り方。
顧客が楽しく買える演出をしただけです。
ワクワク感をプラスしただけです。
おそらくこのお兄さんは、モノを売りたいからそうしているのではないと思います。
お客さんに楽しく美味しく食べてもらいたいから、そうしているのではないか。
そんな事を感じた普通の回転寿司屋さん。
全てはお客様の満足の為に。というキャッチフレーズをどこかで聞いたことがありますが、正に地で行くお店でした。